立川のヨガ・ピラティス選びガイド立川駅周辺のヨガ・ホットヨガ・ピラティスを公式情報で整理

公開:2026年10月18日/最終更新:2026年10月18日

股関節がコキッと鳴るヨガ|弾発股の研究と、脚を回す・開くポーズ

冬の朝、布団から脚を下ろして立ち上がるとき、脚の付け根のあたりでコキッと音がする。痛みはなく、二歩目からは何も起きない。着替えの途中で脚を横に開くと、また同じ場所で小さく鳴る。ヨガのクラスで脚を回す動きをしたときにも、同じ音がした。音は一度きりで、痛みもなく、歩き方も変わらないまま一日が始まる。

この記事の要点
  • 弾発股は、股関節を動かしたときに、周りの腱(筋肉の端で骨につく強い組織)が骨の出っ張りを越えることで音や引っかかりが出る状態です。
  • 弾発股の研究で人数が多いのは、バレエダンサーを対象にした調査です。
  • ヨガのポーズが弾発股の鳴りを減らすか、逆に増やすかを調べた研究は、ここで引いた範囲には見つかりませんでした。
  • ここで引いた研究には、対象と方法の偏りがあります。

股関節がコキッと鳴るヨガ|弾発股の研究と、脚を回す・開くポーズ

冬の朝、布団から脚を下ろして立ち上がるとき、脚の付け根のあたりでコキッと音がする。痛みはなく、二歩目からは何も起きない。着替えの途中で脚を横に開くと、また同じ場所で小さく鳴る。ヨガのクラスで脚を回す動きをしたときにも、同じ音がした。音は一度きりで、痛みもなく、歩き方も変わらないまま一日が始まる。

痛くないなら放っておいてよいのか、鳴るままポーズを続けて股関節を悪くしないのか。この問いを考えるために、弾発股(股関節の周りの腱が骨の上を越えるときに鳴る状態)の研究をたどり、ヨガの動きに置き換えてみた。痛みのない鳴りは股関節の病気の印とは限らず、鳴る角度の手前で止める形に調整すれば、脚を回す・開く動きは続けられる可能性がある。 引いた研究の対象はバレエダンサーと手術を受けた少数の人で、ヨガをする一般の成人を集めたデータは多くない。以下では、鳴る場所の違いから順に、研究でわかっていることと、クラスで試せる調整を並べていく。

弾発股とは——腱が骨の上を越えるときに出る音

弾発股は、股関節を動かしたときに、周りの腱(筋肉の端で骨につく強い組織)が骨の出っ張りを越えることで音や引っかかりが出る状態です。関節そのものが壊れているとは限らず、音だけのこともあります。椅子から立つ、脚を横に開く、脚を胸に引き寄せるといった動きで起こりやすいとされます。

鳴る場所は大きく三つに分けられます。股関節の外側では、太ももの外側を走る腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)が骨の出っ張りを越えるときに鳴ります。脚の付け根の前の奥では、腸腰筋(ちょうようきん)の腱が骨の上をすべるときに鳴ります。関節の中では、軟骨や関節の中の組織が引っかかることで音が出ます。

ヨガのポーズでは、脚を回す、横に開く、胸に引き寄せる動きがこれらの場所に当たります。音が出る瞬間は腱が骨の上を乗り越える瞬間なので、大きく速く動かすほど音も大きくなりやすいと考えられます。音の大きさと、股関節の状態の重さは別のものです。ポーズの名前を知らなくても、脚の付け根が伸びる・ねじれる感覚があれば、同じ調整が使えます。

外側と前の奥の鳴りは関節の外で起こるのに対し、関節の中の鳴りは別の仕組みです。Lewis(2010)は、関節の外の弾発股を扱うときでも、関節の中の病変や前の奥の鳴りが一緒に隠れていることがあると注意しています。音の出どころを確かめるには、診察や超音波が使われることがあります。

研究でわかっていること——ダンサーの調査と自然経過

弾発股の研究で人数が多いのは、バレエダンサーを対象にした調査です。Winston ほか(2007)は、2 つの施設に所属するエリートバレエダンサー 87 人に質問票を配り、股関節の鳴りの有無を尋ねました。87 人のうち 91% が鳴りを自覚し、その多く(80%)は両側に症状がありました。鳴りに痛みを伴った人は 58% で、7% はこの状態のためにダンスを休んでいました。

同じ研究では、超音波で股関節の周りの腱の動きも調べています。股関節の 59% で腸腰筋の腱の弾発が確認され、腸脛靱帯の弾発は 4% でした。前の奥の腱の鳴りは触診だけでは確かめにくく、超音波で確認されたと報告されています。ダンサーでは鳴りが珍しくなく、痛みがある人とない人が混ざっていることが、この調査からわかります。

その後の経過については、総説のまとめが参考になります。Lewis(2010)は、股関節の周りの軟部組織が鳴る人の多くは、手術をしない治療で良くなるとしています。Walker ほか(2021)は、多くの例が 6〜12 か月の保存療法(手術をしない治療)で治まるとまとめています。Yen ほか(2015)は、それでも治らない例では、腸腰筋や腸脛靱帯の腱を手術で伸ばすと述べています。

手術の代償を示した報告もあります。Ilizaliturri ほか(2005)は、内視鏡で腸腰筋の腱を切る手術を受けた 6 人(7 股)を追いました。手術のあと鳴りは消え、平均 21 か月の経過観察でも鳴りは起きていません。一方で、股関節を曲げる力は手術後に落ち、8 週までに改善したものの、手術には一時的な力の低下が伴うことが示されています。

ヨガで調べた研究は見つかっていない

ヨガのポーズが弾発股の鳴りを減らすか、逆に増やすかを調べた研究は、ここで引いた範囲には見つかりませんでした。脚を回す・開く動きを続けた場合の股関節の経過を追った研究もありません。弾発股そのものの研究も、ダンサーの調査と、手術を受けた少数の患者の報告、総説が中心です。報告の数は多くありません。

そのため、ヨガをすれば鳴りが治まる、あるいはヨガが股関節を悪くする、と断定することはできません。研究から言えるのは、鳴りがあっても痛みがない人が多く、手術をしない治療で経過を見る例が少なくないということです。症状がある人の経過と、ヨガのポーズの関係は、まだ調べられていません。

一般の工夫としてよく挙げられるのは、鳴る角度の手前で動きを止める、回す範囲を小さくする、勢いをつけない、といった調整です。これらは研究で効果が確かめられた方法ではなく、腱が骨を越える瞬間を作らないための考え方です。音を出すために可動域を広げようとすると、かえって股関節の周りに負担がかかります。

ヨガの最中に鳴っても、慌てて動きを止める必要はありません。音がしたら一度動きをゆるめ、同じ角度まで戻すかどうかを決めます。鳴るたびに可動域を広げようとするより、毎回同じ範囲で動くほうが、股関節の周りの負担を読みやすくなります。クラスで音がしても、まわりに聞こえるほどではないことが多く、自分だけが気にしている場合もあります。

わかっていないこと・研究の弱さ

ここで引いた研究には、対象と方法の偏りがあります。Winston ほか(2007)の 87 人はバレエダンサーで、股関節を日常的に大きく動かす職業の人たちです。91% という数字は、ヨガをする一般の成人の頻度として読むことはできません。ダンサーでの結果は、体の使い方が違う集団から出ています。

Lewis(2010)と Walker ほか(2021)と Yen ほか(2015)は、いずれも総説です。総説は複数の報告をまとめたもので、新しい患者を集めて治療を比べた試験ではありません。6〜12 か月で治まるという記述も、個々の研究の人数や比べた相手までは示していません。総説の結論には、著者の判断が含まれています。総説どうしでも、対象やまとめ方が違います。

Ilizaliturri ほか(2005)は 6 人 7 股の症例集で、手術を受けた人だけを追っています。手術をしなかった人との比較は、この報告には含まれていません。平均 21 か月という観察期間も、長期的な経過を見たものではありません。症例集は、治療を受けた人の記録を後ろから見たもので、経過の比較には向きません。症例集の数字は、治療を受けた人の特徴を説明するために読むものです。

温かい部屋のクラスでは、体がほぐれて鳴りにくくなったように感じることがあります。しかし、鳴りにくいことと股関節の状態がよいことは別です。判断の材料にするのは、鳴った回数ではなく、動かしたときの痛みの有無と翌日の状態です。

ヨガの前に確かめること——鳴る場所と受診の目安

同じコキッという音でも、鳴る場所によって意味は変わります。次の表は、外側・前の奥・関節の中の三つについて、研究に書かれた範囲で感じ方と受診の要否をまとめたものです。自分の音がどこで鳴っているかを、動きながら確かめてみてください。

鳴る場所 主に関わる組織 感じ方の特徴 受診の要否
外側 腸脛靱帯 脚を横に開く・伸ばす動きで、股関節の外側が動く感じ 痛みがなければ経過を見やすい
前の奥 腸腰筋の腱 脚を胸に引き寄せる・回す動きで、脚の付け根の前で鳴る 痛みや引っかかりが続くなら整形外科へ
関節の中 関節の中の組織 引っかかる、動かなくなる感じを伴うことがある 早めに整形外科で診てもらう

鳴る場所がわかると、どの動きを小さくするか決めやすくなります。痛みのない鳴りは、すぐに治療が必要という意味ではありません。一方、痛み・引っかかり・動かなくなる感じがあるときは、関節の中の病変が隠れていることがあるため、整形外科で診てもらってください。

動きの調整は、鳴る角度の手前で止めることから始めます。脚を回すときは範囲を小さくし、胸に引き寄せるときは膝を抱えたところで一度止めます。勢いをつけて音を出そうとすると、腱が骨を越える瞬間を自分で作ることになります。

股関節の外側が鳴る人では、脚を横に開く角度を少し小さくしてみます。前の奥が鳴る人では、あおむけで膝を抱えるときに、股関節の前が詰まる手前で止めます。どちらも、痛みが出ない範囲で同じ角度をくり返すほうが、毎回限界まで動かすより続けやすいです。

椅子や壁を使って、脚の重さを支える形にすると、鳴る角度を自分で決めやすくなります。立って脚を回すときは、片手を壁につけて体が揺れないようにします。音を消すことよりも、痛みなく同じ範囲で動けることを目安にしてください。

脚を回す・開くポーズを続けるときの調整

ヨガのクラスで鳴りやすいのは、脚を大きく回す動き、横に開く動き、胸に引き寄せる動きです。鳩のポーズのように股関節を外に開く形や、花輪のポーズのように深くしゃがむ形も、股関節の角度が大きくなります。すべてをやめる必要はなく、角度と勢いを調整して続ける方法があります。ポーズを深くするほど気持ちよく感じても、股関節の角度が増えていることを忘れないでください。

ポーズに入る前に、どこまで動かすかを決めておきます。鳴ったところからさらに動かすのではなく、鳴った角度の少し手前で止めます。呼吸を止めて押し込むと、可動域を超えて動かしやすくなるので、息を吐きながらゆっくり戻します。

クラスの中では、まわりの人の形に合わせようとして無理をしやすいです。ブロックやクッションを使って股関節の高さを上げれば、同じポーズでも角度を小さくできます。先生に股関節が鳴ることを伝えておくと、代わりの形を提案してもらいやすくなります。

続けるかどうかの判断は、その日のレッスンのあとではなく、翌朝にします。翌朝に痛みが残らなければ、同じ調整で続けてよい目安になります。痛みが残る場合は、そのポーズの角度をさらに小さくするか、いったん休みます。

弾発股の多くは、手術をしない治療で経過を見るものです。ヨガは、鳴る角度を自分で決めながら続けられる運動のひとつになります。クラスへ行く前に、自分の鳴りについて何を確かめますか。

よくある質問

痛みがないのに鳴るのは、放っておいてよいですか。

痛みがない鳴りは、すぐに治療が必要なものとは限りません。研究でも、鳴りがあっても痛みを伴わない人が多くいました。ただし、先に挙げた合図に当たる場合は、整形外科で診てもらってください。音だけが気になる場合でも、鳴る回数が急に増えたときは、動き方を見直すきっかけにしてください。

鳴るのは、軟骨がすり減っているせいですか。

弾発股の多くは、股関節の周りの腱が骨の上を越えることで鳴ります。関節の中の軟骨や組織が引っかかって鳴ることもありますが、音の種類だけでは見分けられません。関節の中の病変が隠れていることもあるため、気になるときは診察で確かめてもらってください。音が鳴る場所と、痛みがあるかどうかを分けて伝えると、診察が進みやすくなります。

鳴らなくするために、ストレッチを増やせばよいですか。

鳴りを消すために伸ばす時間を増やす方法は、ここで引いた研究の対象になっていません。伸ばす動きそのものが悪いわけではありませんが、可動域を広げようとすると、腱が骨を越える角度も大きくなります。まずは鳴る角度の手前で止める調整を試し、痛みがなければ同じ範囲で続けてください。

病院では何を見てもらえますか。

股関節の動きを診察で確かめ、必要に応じて超音波で腱の動きを見ることがあります。Winston ほか(2007)の調査でも、腸腰筋の腱の鳴りは超音波で確認されていました。痛みの強さや歩き方の変化も合わせて伝えると、診察の助けになります。鳴る場所を自分で指して伝えられると、診察の出発点になります。

この記事の限界

この記事が引いた研究の対象は、バレエダンサー 87 人と、手術を受けた 6 人 7 股に偏っています。一般の成人やヨガをする人を対象に、鳴りの頻度やその後の経過を追った研究は、ここで引いた範囲にはなく、日本人を対象にした弾発股の研究も見つかりませんでした。したがって、91% や 6〜12 か月という数字は、すべての読者に当てはまるものではありません。

また、経過の記述は総説のまとめが中心で、手術をしない治療と手術を比べた試験ではなく、観察された期間も手術の報告では平均 21 か月にとどまります。この記事は股関節の状態を診察で確かめる代わりにはならず、治療が必要かどうかは診察した医師が決めます。

参考文献

  1. Winston ほか. Clinical examination and ultrasound of self-reported snapping hip syndrome in elite ballet dancers. Am J Sports Med. 2007;35(1):118-126.
  2. Lewis. Extra-articular Snapping Hip: A Literature Review. Sports Health. 2010;2(3):186-190.
  3. Walker ほか. Snapping Hip Syndrome: A Comprehensive Update. Orthop Rev (Pavia). 2021;13(2):25088.
  4. Yen ほか. Understanding and Treating the Snapping Hip. Sports Med Arthrosc Rev. 2015;23(4):194-199.
  5. Ilizaliturri ほか. Internal snapping hip syndrome: treatment by endoscopic release of the iliopsoas tendon. Arthroscopy. 2005;21(11):1375-1380.

足の裏から温まる床の上で、自分の呼吸の速さを一度確かめてみる

  • 向く人: 温かい部屋で汗をかきながら、呼吸に合わせて体をゆっくり動かしたい人
  • 向く人: 流派の名前より先に、暑さの中で自分の体がどう反応するかを知りたい人
  • 向かない人: 妊娠中や心臓・腎臓の持病で、医師から高温の場所での運動を止められている人
  • 向かない人: 暑さで気分が悪くなりやすく、室温の高い部屋そのものを避けたい人

このサイトはオンザショア立川店の運営者が制作しています。オンザショア立川店は立川駅から徒歩1分、溶岩プレートの床で部屋を温めるヨガスタジオです。

オンザショア立川店のピラティス案内

よくある質問

痛みがないのに鳴るのは、放っておいてよいですか。

痛みがない鳴りは、すぐに治療が必要なものとは限りません。研究でも、鳴りがあっても痛みを伴わない人が多くいました。ただし、先に挙げた合図に当たる場合は、整形外科で診てもらってください。音だけが気になる場合でも、鳴る回数が急に増えたときは、動き方を見直すきっかけにしてください。

鳴るのは、軟骨がすり減っているせいですか。

弾発股の多くは、股関節の周りの腱が骨の上を越えることで鳴ります。関節の中の軟骨や組織が引っかかって鳴ることもありますが、音の種類だけでは見分けられません。関節の中の病変が隠れていることもあるため、気になるときは診察で確かめてもらってください。音が鳴る場所と、痛みがあるかどうかを分けて伝えると、診察が進みやすくなります。

鳴らなくするために、ストレッチを増やせばよいですか。

鳴りを消すために伸ばす時間を増やす方法は、ここで引いた研究の対象になっていません。伸ばす動きそのものが悪いわけではありませんが、可動域を広げようとすると、腱が骨を越える角度も大きくなります。まずは鳴る角度の手前で止める調整を試し、痛みがなければ同じ範囲で続けてください。

病院では何を見てもらえますか。

股関節の動きを診察で確かめ、必要に応じて超音波で腱の動きを見ることがあります。Winston ほか(2007)の調査でも、腸腰筋の腱の鳴りは超音波で確認されていました。痛みの強さや歩き方の変化も合わせて伝えると、診察の助けになります。鳴る場所を自分で指して伝えられると、診察の出発点になります。